木型と材料へのこだわり
木型へのこだわり
Khishの木型はかなり特徴的です。
非常に低く抑えられた前方から勢いよく立ち上がる甲部。そして踵の骨を丸く包むカーブの強いヒールカップ。横や斜めからではなく下からアーチを持ち上げる土踏まず部。潰れて開いた足を下からサポートする横アーチ部。
など足の骨格に基づきながらも靴としての美しさを表現できる有機的な形状をしています。
材料へのこだわり
材料に関しては基本的にすべてビスポークシューズと同じものを使用しています。 中底は木型底面の複雑な曲面をしっかり反映させる形状記憶力があり、かつ柔らかいイタリアのベンズを使用(牛のお尻から腰に掛けての繊維質が密な部位) 踵の芯は厚みのある国産牛革を手で加工したものを使います。 靴の後ろ半分の長さを補強するロングカウンターを採用することで余計な靴の変形を抑え足をしっかりサポートします。
先芯も同じく革を成型して作ります。つま先はいわば靴の顔でありその立体的な造形は靴全体の美しさに直結するため、厚みのある革を吊り込んだ後やすりと包丁で削って整えます。
中もの(インソールとアウトソールの間に収まるソールの中身)は後方に鉄と革、前方にコルクをおさめて形を整えます。
ソールの接地点(=コルクの接地点)をボールジョイントよりやや後ろに置くことで、歩行時の足の蹴りだしがスムーズになります。
ボールジョイントより後方は靴の変形を防ぐため鉄とレザーを合わせてより強度を高めます。前方のコルクはソール形状を美しく見せる役割、クッション性があるとともに歩行時の靴の転がりを担うものでもあるため丁寧に削って成型します。